現在、プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスの監督として活躍中の野村監督の2004年の著作「新・敵は我に在り」を読んでみました。これも「本のソムリエ」さんのお薦めがきっかけです。
内容は、この本を書くまでの約13年間(ヤクルト監督→阪神監督→シダックス監督)を主に振り返っています。野村監督は「ID野球」という言葉で代表されるように、『考えること』の重要性を説いています。これは野球はもちろん、人生においても重要なのだなー、と感じました。野村監督が考える、勝負の上での色々なかけひき・状況判断のノウハウが細かくかかれていて、「へー、なるほどー。」と感心しました。野球の奥深さを見たような気がします。ちなみに「ID野球」のIDとは、「Important Data」の意味だそうです。私はずーっと「Identification」のIDの略だと思っていました。(苦笑)
それと、ヤクルト・阪神監督時代での各有名選手(ヤクルト:古田・吉井・高津・石井・広沢・土橋など、阪神:井川・赤星・藤本・沖原・福原・浜中・桧山・矢野・山田など)についても、どのように育てていったのかが書かれています。これらを読んでみると、野村監督は人を細かく見ることに長けていたのだなと、感じます。これは上に立つリーダーに必要な能力だなと、改めて思いました。
印象に残ったフレーズは以下の通りです。(多すぎです。笑)
・これまでに紹介したように、阪神が優勝したポイントは四つあります。
①オーナーの意識改革 ②星野監督の起用
③選手補強を含めたチーム編成 ④若手選手の台頭 (P26)
・組織の中で、疑問をキチンとデスクに乗せて行く。そのことが、失敗を最小限に防いでくれる。。。。危機管理の基本なんですね。 (P29)
・『プロとして、恥を知れ』―いいかえれば、『一所懸命、汗をかけ』ということです。これが、私の監督としての基本的な理念となりました。 (P33)
・野球選手の中で、①強肩 ②俊足 ③打球を遠く飛ばす―この三つだけは、持って生まれたものなんです。練習で、ある程度は磨くことができますが、
①速球投手 ②俊足ランナー ③ホームランバッター、にはなれない。だが、それ以外の能力は、練習を土台にして自分のものにすることができるのです。 (P35)
・(監督として)飛躍するための道を探してあげる。・・・するべきことは多いのでしょうが、それを受け取る本人に「進歩しよう」・・・という意欲がなければ、決して実を結ぶことはないのです。(P47)
・自分のタイプを見極めて、その道を行く。中途半端な考え方では、絶対にモノになりません。自己を過大評価することは禁物です。(P54)
・深層心理学者の林道義氏は、著書「父性の復権」の中で、・・・こう述べています。
「権威を成り立たせる四つの条件」です。第一は「能力」・・・、第二は「信頼」、・・・第三は「知恵」、第四は「愛」-。 (P97)
・人間はなぜ考えるのでしょうか。それは、良い結果を出したいからでしょう。そして、恥をかきたくないからだと、しみじみと思うのです。 (P118)
・試合の勝敗について、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という認識をしています。・・・敗因には、はっきりした理由があります。「結果が出ないとき」にも、同じことがいえると思うのです。
・選手の力を引き出す―・・・第一は「時間」・・・第二は「知識の導入」・・・第三は「情報収集」、第四は「適材適所」ということです。 (P199)
・行動する―。その点火剤は、なんでしょうか。・・・そのきっかけは、「感じること」なのです。 (P206)
読んでみて、はっきり言って「面白かった!」です。リーダーになる人にも必読の一冊だと思いました。もちろん野球好きにも(笑)。
◎この本の採点:★★★★☆
・じっくり度:★★☆(通勤2.5往復分)
・持っておきたい度:★★★(買っておきたいと思いました)
・お値打ち度:★☆☆(239P/1500円=0.16)
・持ち運び度:★★☆(ハードカバーですが、厚さ2cm程度)