「天才エジソンの秘密 母が教えた7つのルール」 ヘンリー幸田著 講談社 ¥1,500円(2006)
この本は「本のソムリエ」さんが紹介していたので、図書館で借りて読んでみました。
著者は写真で見る限り日本の方のようですが、職業は米国弁護士です。30年程前にエジソンの発明した蓄音器を友人からもらったのをきっかけに、エジソンに興味を持たれたようです。
この本のサブタイトルに「母が教えた7つのルール」とあるので、教育本かと思いましたが、どちらかと言うとエジソンの伝記という感じです。エジソンの生い立ちから晩年まで、どのような一生を送ったのかを学びつつ、その中にある生き方のヒントを見つけていく、そのようにこの本は構成されています。
この本の冒頭に「トーマス・エジソン格言集」が書かれているので紹介します。
1.天才とは、1パーセントの閃き(ひらめき)と99パーセントの汗である。
2.チャンスは衣をかぶってやってくる。だから見逃してしまうのだ。
3.幸運は、機会と準備が一致したときに実現する。
4.私にとって仕事は楽しみだ。義務と思ったことは一度もない。
5.頭は筋肉と同様、鍛えるほど強化される。
6.進歩も成功も、考えることから始まる。
7.いつでも必ず、もっとよいやり方がある。それを探せ。
8.私は失敗したことは一度もない。一万回もうまくゆかない方法を見つけただけだ。
9.人間の最大の欠陥はすぐにあきらめることにある。
成功するための最善の方法は、もう一度やってみることだ。
10.もし両親が、子供の心の中に「情熱」を残してあげることができたら、
それは貴重な財産になるに違いない。
この中で、最も有名な格言は、1.でしょう。この格言は「努力が大切だ。」と読むのが非常に分かりやすいのですが、エジソンはこう警告したそうです。
「・・・汗を流せば何でも成功すると思うのは間違いだ。・・・ 1パーセントの閃きを無視してはならない。成功のために汗も努力も欠かせない。・・・無目的の努力だけでは・・・いつか力尽きる。ときどきでいい、閃きを考えてみてくれ。それが羅針盤となって方向を示してくれる。」 (55頁)
その他、4.などはサラリーマンの私としては、なかなか耳の痛い話です。笑 あと、5.6.7.は考えることの大切さを教えてくれます。エジソンは子供のころから色々考え続けたようです。それが様々な成功につながっているのでしょう。私も普段から考える癖をつけないといけないと痛感しました。
エジソンの人生の中で幼少期の落ちこぼれのエピソードは有名でしょう。「なぜ?なぜ?」と聞きまくるエジソンに対し、先生はうんざりします。意を決した母ナンシーはわずか3か月で息子を小学校から退学させることを決心します。ナンシーは元教師ということもあって、このようなことが出来たのでしょうが、親としてはかなりの覚悟でしょう。それが出来たのはエジソンに対する母からの「無条件の愛」があったから、と著書は記しています。
「完全な子供はいない。完全どころか、欠点だらけなのが子供である。欠点だらけの子供であっても無条件で愛することができるのが親である。」 (40頁)
この辺りの件(くだり)を読んでいて、満員電車の中で不覚にも思わずウルッと来そうになりました。(苦笑) 結構涙もろい性格なので。。。。
あと、この本を読んで初めて知ったことがいくつかありました。
・12歳の時に、列車での事故が元で難聴になったこと。
・1度目の奥さんは、不幸にも29歳で病死したこと。息子2人も父とは距離を置いた生涯を送ったようであること。(2回目の結婚は成功だったよう)
・エジソンが作った電気会社「エジソン・エレクトリックライト」社は、後の「ゼネラル・エレクトリック(GE)」社の母体であったこと。
などなど色々な発見がありました。
ただこの本で個人的に一つ気になることがありました。「7つのルール」ということで、ルール毎に1つの章を設けているのですが、各章の終りに「母ナンシーからひと言」というページがあります。ここでは、ナンシーの一人称でエジソンとの思い出が書かれているので、最初ナンシーによる回想録の一部かと思っていましたが、最後の方でナンシーの死後のエピソードも書かれていたので、これは著者のまとめだと分かりました。この点ちょっとガッカリしました。
それでも、エジソンの伝記として、その中の人生のエッセンスを学ぶには良い本だと思いました。本の評価としては、★★★☆☆(★3つ)としました。